戦災・空襲記録づくり第33回東海交流会開催  
運営委員 金子 力          

                                           
 
絵はがき

 12月17日に戦災・空襲記録づくり第33回東海交流会が当ピースあいちで開催されました。ちょうど「寄贈品展」開催中で開会前や休憩時に多くの参加者が見学されました。
 特別報告として、次の3本のレポートが発表されました。
(1)清水啓介さん(戦争遺跡研究会)は長年の現地調査の結果をまとめて今夏出版された『東海軍管区の防空陣地』について映像を使った報告
(2)篠崎喜樹さん(岐阜空襲を記録する会)は現役大学生と共同で、空襲で焼けた岐阜の現場写真を現在の写真を比較して時代の変化を捉えた映像作品『岐阜空襲アーカイブ』が学校教育の場で好評であったことの報告
(3)馬場豊さん(南山国際中学・高校)は城山三郎の幻の作品「捕虜のいた町」に出てくる鳴海にあった捕虜収容所の現地調査や関係者への取材から戯曲をつくり、地元で上演したことが報告

 交流会では全国空襲被害者連絡協議会、半田空襲と戦争を記録する会、豊川海軍工廠跡地保存をすすめる会、岡崎空襲を記録する会、敦賀の空襲を伝える活動、豊田市平和を願い戦争を記録する会、ピースあいちなどから報告がありました。
 豊川からは海軍工廠の跡地の一部が豊川市「平和公園」として保存整備され、来年6月頃には戦争遺跡とともに交流館も建設され、戦争を伝え平和を考える施設としてオープンする準備が進んでいることが報告されました。
 10周年を迎えたピースあいちからは「いわさきちひろ展」はじめ今年の展示・イベントの紹介、次世代に戦争体験者の話を伝えるために「語り継ぎ手」を募集していることや10周年記念誌『希望を編み合わせる』が出版された報告がありました。

絵はがき

 書籍コーナーでは報告者の力作『東海軍管区の防空陣地』『戯曲捕虜のいた町』はじめ、『空襲通信19号』『写真が語る日本空襲』などの最近の空襲研究者の著作、『私たちの戦争―中京高女の学徒動員と熱田空襲』『フィールドワーク豊川海軍工廠』などが販売され、好評でした。

 参加者は24団体・個人計50人で、初参加の大学教員・学生が注目を集めていました。閉会後の懇親会参加者は25人でこちらも有意義な交流ができました。