「語り継ぎ手の会 結成のつどい」に参加して     
ボランティア 大野 恵



 9月23日に開催された「語り継ぎ手の会 結成のつどい」に参加しました。
 私は自主制作で、一人の戦争体験者の方の人生を一冊の冊子にまとめるという活動をしているため、これからも「語り継ぎ手」の一人として活動を続けるために、参考にできることがあればと思い、参加しました。

 当日はピースあいちの一階が満席に。取材陣も多く、始まる前から熱気が伝わってきました。参加者は高校生の女の子たちもいれば、戦争体験者の方も。ピースナインで出展された学生さんたちの姿もありました。遠いところでは島根県や和歌山県からいらっしゃった方もいたようです。

加藤さんと堀田さん

「4世代を超えて戦争体験を語り継ぐ」三矢泉さん

 

 議事のあと、特別プログラムが2本行われました。1つ目は「4世代を超えて戦争体験を語り継ぐ」。新井道子さんの北朝鮮からの引き揚げ体験を、娘の紀子さん、孫の泉さん、曾孫の萌さんと郁さんご兄弟(大学生でご多忙のため欠席)が語り継ぐという内容でした。
 曾孫のご兄弟からのメッセージには、曾祖母の戦争体験を聞いて、自分はどう思ったのか、これからどうしたいかが、はっきりと書かれており、4世代が確かにつながっていると思いました。体験者から話を聞いて、受け流すだけではなく、そこから自分の意志を持つことが未来につながっていくのだと思いました。

 続く2つ目は「父の沖縄戦を語り継ぐ」。「語り継ぎ手の会」代表の中村桂子さんの妹 柳川たづ江さんが、腹話術という一風変わった方法で、お父様の沖縄での戦争体験を紹介してくださいました。沖縄戦について、何も知らない人形に対して、柳川さんがゆっくりと丁寧に教えていく。これがすごく分かりやすかったです。小学生くらいのお子さんでも、自分のことに置き換えて戦争を感じられるような内容でした。
 このように、事実を並べるだけではなく、より分かりやすく、自分だったら…と聞く人に、考えさせることができるような「語り継ぎ」こそ、意味があるのだと思いました。

加藤さんと堀田さん

 

  最後の懇談会では、戦争体験者の方からも意見をいただきました。そこでもやはり「語り手から聞いたことを受け、その後自分がどう変わったか、そこからどうするか。そこから生まれ変わった自分を、未来に活かしてほしい」とおっしゃっていました。私もこのことを常に頭に置いて、これからも「語り継ぎ」活動に参加していきたいと思いました。

 今回はあまり時間がなく、出席者の方全員の意見を聞くことはできませんでしたが、参加された方それぞれに思うことがあって参加されていたのだと思います。今後、どのように「語り継ぎ手の会」を発展させていくか、参加者全員がじっくりと意見交換できる場があると良いと思いました。