「日中市民-非暴力をめざす-つどい」開催
運営委員 河原 忠弘             

    

倉橋画像 封筒

 10月15日(日)午後、ピースあいちで、「日中市民-非暴力をめざす-つどい」を、NPO東海外国人サポートセンター〈通称「希望」〉の協力を得て、開催しました。参加者は28名でした。
 宮原事務局長が歓迎の挨拶をして、河原が企画の経過・ねらいを報告し、第一部では「希望」の元代表者で、中国残留孤児二世の木下貴雄さんから、戦争で翻弄された一族の歴史、日本での差別に打ち克つための学歴取得、日本社会でのご苦労、そして今の在日中国人などへの支援活動などのお話を、驚きをもって伺いました。
 休憩をはさんで、第二部は名古屋市立大学の平田雅己さん司会で、「希望」の中国人、葛冬梅さん・呉華一さんのお話を聞き、フロアからも意見や質問が飛び交い、賑やかなひと時を過ごしました。

 主な発言を独断で選ぶと・・・
「教育の影響で、小さい時は日本人のイメージは良くなかったが、日本を知っていく中で、若者はマンガなどの日本文化を好きになっている、これからも仲良く助け合えば良い」
「日中戦争時には、日本軍は恐ろしいと教えられたが、祖母には日本軍の隊長にかくまわれて助けられた経験があり、良い日本人もいる、と教えられた」
「植民地であった都市には、外国人のアソビ場があり『中国人と犬は入場禁止』とされた、侮辱された」
「(ピースあいちの展示を観て)重慶爆撃、南京事件のキチンとした展示がされているが、そうした場所があることを知らない中国人が多い、観に来てもらうようにしたら良い」
「みな人間は同じだ、将来に向かって仲良く助け合えば良い」
「日本社会はオープンではなく、仲間(ママトモなど)に入れないと日常に困難が伴う」
「日本国憲法のもとで平和で過ごしてきたのに、最近変えようとしている、その理由が理解できない」・・・
とても良い交流ができたと思います。

 いま、名古屋市には2万人を超える中国人が住んでいます。また、観光や買い物、仕事などで来る方も多くなっています。文化面、経済面ではますます依存関係は深まってきています。しかし、他方では、中国を嫌う日本人、日本を嫌う中国人が、それぞれ8割以上いる、という話もあります。
 価値観、文化、習俗などの違いはありますが、私たち一般市民には、憎み合ったり、敵対する理由があるとは思えません。私たちには、互いに多様性を理解しあう努力が不足し、また交流の機会も少ないように思います。そこで「戦争」や「平和」の話ばかりではなく、「非暴力をめざす」地域づくりの手始めとして今回の開催となりました。ピースあいちは国際協力活動を模索してきましたが、具体化できませんでした。今回の催しから今後の企画に向けて多くを学ぶことができました。これからも、日中で、あるいは日韓で、また、日米でも、交流していく企画をしたいと思います。