新たな試み・ガイド課題~博物館実習を終えて~      
ボランティア 岡村 裕成



 「ピースあいち」では、7年前に博物館相当施設と認定されて以来、学芸員課程の取得を希望する大学生の博物館実習の受け入れを行っています。今年は専修大学、静岡大学、中京大学から1名ずつ、合計3名の学生を受け入れました。
 今回の学生は戦争や平和に興味がある学生たちでしたが、専攻研究が心理学・ネットワーク情報分析・近世史と、今までと比べて幅広い学習をしている学生が集まったのではないかと思います。講義や実習に真剣に向かい合い、下準備をしっかりする姿勢は印象に残りました。

加藤さんと堀田さん

ガイドの練習のために
ボランティアから話を聞く実習生たち 

 

 実は今回、学生には酷な(?)課題を出しました。それは「模擬ガイドの実習」です。「ピースあいち」に実習に来る学生の興味を知ること、何よりも学生の学芸員としての知識や実践を見せる機会を作りたいと思い、この課題を設定しましたが・・・学生は試行錯誤を多くする課題になったようでした。
 まずは「ピースあいち」のボランティアガイドを見せてもらい、ガイドの方法はもちろん、自分の持っている経験や知識なども活かしてガイドをしていることを学んでもらうところから始まりました。ガイドの練習をして、ボランティアガイドに助言をしてもらう、展示をじっくり見てガイドの引き出しを作ってもらうといった時間もとりました。
 とはいえ、かなりの試行錯誤だったようで。

「教科書の『ちいちゃんのかげおくり』などからガイドを引き込む方法を学んだ」
「聞き手の興味を引くために、質問をしたり実物を持たせたりと、工夫を凝らした説明で頭にすんなり入ってきて参考になった」
「何をどういうふうにガイドをすればいいのかわからなく、とても焦った」

 そして最終日に本番を迎えました。それぞれが学んだこと、調べたこと、伝えたかったことをしっかりと自分の中で考え、一生懸命にガイドをしていました。

「パネルやパネルの絵や写真を取り入れてガイドを行えたことが、自分の中でも以前より良くなった点だと思う」
「焼夷弾のガラを実際に触ってもらう、文字からひきつけるなど、以前のアドバイスも取り入れて発表して、イメージどおりにできた」

 学生の実習での成長を今まで以上に感じ取れたガイド発表、そして博物館実習になりました。