ちひろ展 LOVE! LOVE! LOVE! メモリー     
運営委員 熊本 亮子



加藤さんと堀田さん
 

 開館10周年特別展は、「ピースあいち」らしいアットホームな雰囲気がとてもよかった。
 孫を誘って来たおばあちゃん、近くでちひろの絵が見られると喜んでくれた熟年夫婦、「ピースあいち」を知っていたけどやっと来てみたという30代の方etc. こうした方たちで入場者は目標を大きく上回り3700人を超えた。おまけに最終日は入館者7万人達成という本当に嬉しい記念日になった。

 10年歩んできた「ピースあいち」が広く知られる機会になった。振り返ってみると…

「うわぁ かわいらしい子ども」「きれいな色だね」「いやされるわ」
 でも、それだけじゃない。いわさきちひろは絵本の中からたくさん大切なメッセージを伝えている。戦争や悲惨さを直接に表現して平和を訴えるのではないけれど、子どもたちを平和の中に置きたいと願う気持ちが、自然と自分の中に湧いてくるのに気づく。私にもそんなLOVEがあったのかな。
 ちひろの生き方を知ってからは、もっと惹きつけられるようになった。

加藤さんと堀田さん加藤さんと堀田さん

左:最終日は入館者7万人達成  右:大人気だったグッズと本のコーナー

 
加藤さんと堀田さん加藤さんと堀田さん

左:半田市からのお客様が持って来てくださった点字絵本  右:韓国光州市から来た若者たち

 

「この全く勇ましくもない私の持って生まれた仕事は絵を描くことなのだ。たくましい、人をふるいたたせるような油絵ではなくて、ささやかな絵本の絵描きなのである。」(ちひろ最晩年の手帳より 1973年)
 生涯子どもをテーマに絵を描き、世代を超えて愛されるちひろの絵。それはけっして“ささやか”なんてものじゃない。自分の経験した戦争の苦難を、二度と子どもたちに降りかからせてはイケナイと。愛と強い信念の人だった。

加藤さんと堀田さん加藤さんと堀田さん

左:紙芝居を演じた朗読サークル『オリーブ』  右:手に取って読める絵本をたくさん並べました

 

 ちひろの願い<世界中の子どもみんなに平和としあわせを>、ピースあいちの願い<戦争の歴史から学び伝える次世代への平和>、それを受けとめる一人ひとりの <LOVE! LOVE! LOVE!> そんな空気が静かに会場を満たしていた。
 昔口にした覚えのある“LOVE&PEACE”は、やっぱりステキなワード。

加藤さんと堀田さん加藤さんと堀田さん

左:松本猛さん講演会  右:映画上映会は2回開催

 

 大きな規模の安曇野ちひろ美術館と連携しながらの展示作りは、「ピースあいち」にとっては初めての経験だった。講演会で初めてピースあいちを訪れた松本猛さんが「同じ思いを目指している」と言われたのが嬉しかった。
 これからも「エヘン」と胸を張ってやっていこう。