10周年記念誌『希望を編みあわせる』が刊行されます!     
運営委員・10周年記念誌編集委員 赤澤 ゆかり  



 
表紙

 5月4日の「ピースあいち」開館10周年記念日に向けて、昨年の6月から準備を進めていた記念誌が4月末にできてきます。表紙はカラー、本文は132ページ、10年目の「ピースあいち」の姿を記憶にとどめておきたくて、思い切ってカラーページを8ページ設けました。現在は工場で製本されている段階でしょうか。できてくるのが楽しみです。

 構成は大きく4つ。第一章は、開館までの道のりです。「愛知に戦争メモリアルセンターを!」という市民運動の始まりから、「ピースあいち」を建設することになった経過、そして覚悟を決めて挑んだ開館準備。
 第二章は、開館から現在まで。「ピースあいち」がどのように運営されているか、戦争資料にどう向き合っているか、企画展はどのように作られるか、などなど。座談会もあって、楽しく読み進むうちに、「ピースあいち」のことがわかってくる仕掛けです。「ピースあいち」という組織があって、そこに属する人たちがいるのではなく、平和を望み、そのためになにかしたいという個人が集まって「ピースあいち」が活動しているということを、読み取っていただけるのではないでしょうか。
 第三章は、ミニ座談会「戦争についての伝承活動」と、総勢17名の方からいただいた「ピースあいち」へのメッセージです。あたたかく、そしてこれからの活動に向けて、示唆に富んだご意見をいただきました。第四章の資料編も、当初の予定よりずいぶん充実したものになりました。

 編集作業はまず、編集委員を募るところから始まりました。そして編集会議で企画構成を決め、原稿を依頼し、出てきた原稿を検討・修正し、写真や資料を集めて、レイアウト、そして校正という流れです。作業が進むにつれ、年表の作成や校正を手伝ってくださる人が増えていったのも「ピースあいち」らしいと思いました。
 ボランティアや関係者の寄稿も載せています。なかなか原稿がいただけないこともありましたが、「じっくり待つ」と決めていました。慣れない原稿書きなのですから。しかし、いただいた原稿は素晴らしく、校正をしながら何度も胸が熱くなりました。

 編集作業を通じて、「ピースあいち」が戦争を体験した方たちの大きな思いで生まれ、その活動が志を同じくする多くの方々に支えられているということを改めて実感しました。「ピースあいち」が、さらに多くの、平和をつくるためになにかをしようとしている人やグループの「希望を編みあわせる」場になっていけるように、活動を続けていきたいと思います。