ボランティア雑感◆ポールちゃん。      
ボランティア 八木 淳子



 

 ポール・マッカートニーのコンサートに行くことになった。会場は、東京ドーム。交通費も合わせるとかなりの出費だが、これが最後かもしれないと思うとエイヤー!とチケットを申し込んだ。
 高校の頃、友達にビートルズのレコードを貸してもらい、案の定たちまちファンになった。その頃はもう、とっくに解散していたけれど、英語の歌詞カードを頑張って見ながら、よく歌ったものである。今でも何曲かは空で歌えるかも。私は、ポールちゃん派。たれ目のあの顔が好きだった。同じ世代に生まれて、コンサートで失神したかったなあ(笑)。
 そんなポールも御年七十四歳。実は、一昨年も京セラドームの公演に行った。特大ホームランがやっと届くような席だったけれど、モニターに映し出されたポールは、やっぱりたれ目で、懐かしの曲をこれでもかというくらい歌ってくれた。アンコールは三回。おじさんとおばさんは、歌って踊った。ポールちゃんは、大きな愛を届けてくれた。

絵はがき

八木さんが描いたポールの似顔絵

 ビートルズファンで世界の平和を願わない人はいないと思う。若くて心が柔らかかった頃にビートルズに触れた人たちは、愛とか平和とか、そういうことを今も大切に思っているはず。京セラドームを埋め尽くした人たちが、ポールちゃんと一緒にヘイジュードを合唱するのを聞いていて、日本は、世界は、まだまだ大丈夫だと感じた。
 ビートルズによって、私も成長させてもらった。ラブ&ピースの精神である。愛があるから平和があるのだ。
 今、紛争の中にいる人たちや誰かを憎み、傷つけたいと思っている人たちをコンサートに招待できればなあ。平和って、本当は簡単なことだと思うんだけど。
 ポールちゃんにはもっともっと長生きしてもらって、愛を世界の隅々まで届けてほしい。
 ゴールデンウイークのコンサートが楽しみだ。