◆ボランティア雑感◆「いつか私もボランティアを…」と思いつつ
ボランティア 新美 ときわ             



 1月に初めてボランティアに入らせていただきました。私がはじめて「ピースあいち」を訪れたのは一昨年の夏、戦争体験語りの会があるというのをテレビで知ったからでした。これまで戦争体験者、原爆の被害者の直接のお声は聞いたことがなく、ぜひにという思いで訪ねました。

絵はがき

木下(新美)ときわさんのCD「Tempo」。ポルトガル語で「時、時間」の意味です。 「時」に寄り添い、「時」を見つめる12のうたが収録されています。


 私はミュージシャンで、とあるご縁があり5年前にロシアへ演奏をしに行きました。未知の国だったロシアの奥深さに魅了され、以降、ロシアと日本の橋渡しをしてこられた方の本などもいくつか読んでいました。そんな折、たどり着いたのがシベリア抑留の実話を元に書かれた「ラーゲリ(収容所)から来た遺書/辺見じゅん著」という本でした。


 この本は、人としてのあり方、戦争という不条理について深く考えさせられ、ロシアの風土も垣間見ることができる、私にとっては人生の何冊かに入れたいくらいの作品です。


 そこで、体験語りでまず伺ったのがシベリア抑留の方の会でした。会場一杯の熱気の中、貴重な体験や想いを聞くことができ、素晴らしい日でした。その後何度目かに「ピースあいち」を訪れた際、どこかでお顔を見たことのある方が声をかけてくださいました。同じ名東区内に、私がいつも野菜を買いに行く直売所があり、そこの店員さんでした。「ここでボランティアもやっているのよ」とおっしゃり、そうして、ボランティアさんもたくさんいらっしゃるのを知りました。 


 それ以来「いつか私もボランティアを…」と思いつつ、仕事のことで心の余裕もなく(情けないことですが…)、一段落つきやっと今年から!と始めたのも束の間、埼玉の実家へ引越すことになってしまい、全くお役に立てず心苦しく思っています。一日入っただけでも、関わっておられる方々の素敵さに感じ入り、「もっと早くから来るべきだった」と思うばかりです。名古屋に「ピースあいち」あり! 離れてもお手伝いできることがあればと思います。ロシアで現地の人々と触れ合った時に「政治主導ではなく、こうして市民同士が草の根的に文化交流をすることこそ、本当の平和に繋がるのかもしれない」と強く感じたものです。一市民の力は小さいように見えますが一人ひとりが自覚をもって行動すればきっと大きく平和を支えるものだと信じています。