南山中学から届いたレポートの束 
運営委員  林 和子



絵はがき

 この夏、夏休みの宿題で、たくさんの中学生がピースあいちに来館くださいました。先日、その中の1校・南山中学校(女子部)から、子どもたちが提出したレポートの束が届きました。一人ひとりがレポート用紙2枚にびっしり綴ったレポート。なんと70人を超える子どもたちのレポートの束でした。
 南山中学では、3年生に毎年、社会科の夏休みの宿題として「戦争体験を聞く」という課題を出しています。今年の課題を示す文章には、



1・2いずれかに取り組んでください。必ず自分の意見や感想、考察を書くこと。ネットからのコピペはだめ。
 1. サマーセミナー
 サマセミといってもその講座は2000を超えます。「社会・歴史」「平和」のカテゴリーから15の講座を選んだのでその中から…
 2. 戦争展やつどいに参加して、体験者のお話を聞く
 日本の夏は戦争と平和について考える夏でもあります。毎年、各地域の公民館や博物館で、戦争資料展や戦争体験を聞くつどいなどいろいろな催しがあります。新聞等で調べてみましょう。おすすめは「あいち平和のための戦争展」と「ピースあいち」です。また、祖父母や親戚、身近な方で直接戦争を体験されている方がありましたら、その方からお話をお聞きするのも。ただし、くれぐれも失礼のないように。壮絶な体験をされて、一生消せない傷を負っている方もたくさんいらっしゃいます。「戦争展」や「ピースあいち」では、係りの人からお話を聞くことが大切です。(概要)  

と書かれ、ピースあいちの夏の企画展のチラシが付けられ、生徒たちに配られました。
 夏休み、連日のように中学生が来館され、体験者のお話が終わった後も体験者に質問をしている姿、展示を何時間もかけて見ながらボランティアに質問し、熱心にメモをとっていた姿が思いおこされます。

 「八月十五日展」では、自分と同じ年頃の子どもたちの「その時の思い」を自分に引き寄せしっかり読んでいること、2階の常設展からは、戦争の全体像をしっかり見据え、その中で自分に一番問いかけられた展示内容から感想・意見などがまとめられています。戦争が教科書やテレビドラマの中のものでなく、自分や家族・友人にも降りかかるものとしてとらえられ、また、単なる「戦争反対」ではなく「何で戦争反対なのか」をあらためて問い直すために学ばなければいけない、と子どもたちの中に変化が起きています。

 課題を出された先生は「予想以上にピースあいちへ行ってくれた生徒がいました」とお話くださいました。ピースあいちは、来年5月に10周年を迎えます。子どもたちや若者に何を伝え、どんな変化をつくっていくのか、ピースあいちの課題として問われているかなとレポートの束の重さから、内容の重さから感じています。