安曇野ちひろ美術館見学ツアー  
運営委員 熊本 亮子



 夏の企画展が終わりほっと一息の夏季休館中、ピースあいちスタッフ12名はレクリエーションを兼ねて長野県安曇野へ向かいました。道中美味しい蕎麦を食べ、目的地は絵本画家いわさきちひろの作品を展示する安曇野ちひろ美術館。北アルプスを望む広々とした敷地にある館内には、約3,000冊の絵本を自由に読める部屋や木のおもちゃで遊べるスペースも設けられていました。開催中の「みんな、いっしょだよ。」は、ちひろ公園トットちゃん広場オープン記念展で、80点の作品が並んでいました。色彩豊かで優しさ溢れる水彩画は、子どもの命の輝きそのものです。夏の忙しさから解放され、静かな時間の流れる空間で、癒されるようなひと時を過ごしました。

絵はがき
 

 いわさきちひろは、子どもを生涯のテーマとして描き続けた画家でした。その中には、色味のないモノトーンで描かれたものがあります。『私が小さかったときに』『母さんはおるす』『戦火のなかの子どもたち』は戦争をテーマにした3冊の絵本です。目は鋭く口を固く結び、戦火にさらされ追い込まれた男の子は、普段私たちがイメージするちひろの絵とは対照的です。
 戦時中に娘時代を過ごしたちひろは、「青春時代のあの若々しい希望を何もかもうち砕いてしまう戦争体験があったことが、私の生き方を大きく方向づけているんだと思います。平和で、豊かで、美しく、可愛いものがほんとうに好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じます。」(いわさきちひろ 1972年)と、作品には子どものしあわせと平和への願いが込められていました。

 

 さて今回のツアーは“レクリエーションを兼ねて”と、始めに書きましたが、本来の目的は?! あらためて素敵なお知らせをお届けする日まで、しばしお待ちくださいませ。