愛知東邦大学における「ピースあいち」と連携した教育活動   
愛知東邦大学教育学部助教 白井 克尚



絵はがき
 

 本学と同じ名東区内にある「戦争と平和の資料館 ピースあいち」と連携した教育活動に取り組んで3年目になる。2016年度は、7月28日(木)に、全学共通教養科目「歴史学」の授業において、大学生を引率して調査見学活動を実施した。学生たちは、本物の遺物に触れたり、ガイドボランティアの方の話を聞いたりする中で、地域で起こった戦争の歴史について理解し、現在における平和の大切さを実感していった。

 私は、今日、「ピースあいち」に来て良かったと思っています。今、胸が苦しいです。太平洋戦争は日本が悪かったんじゃないかって思います。事の発端は、日本であったような気がします。少し怒りも覚えます。アメリカも確かに酷いですが、見学を通じてメモしきれないことが多いくらい、日本にも酷い行為がたくさんありました。だんだん戦争を知っている人はいなくなります。残るのは、戦争を体験していない私たちです。後に伝えていかないと、同じことを繰り返しそうで不安です。私たちの代が、もっと学んで後に伝えられたらいいなと思います。(経営学部2年 高田 澄美)

 中学・高校でも戦争について学んできたが、今回「ピースあいち」で名古屋空襲の写真を見て、戦争の怖さを改めて知った。名古屋城が燃えている写真を初めて見たり、ナゴヤドームの近くが爆撃されていた展示を見たりして、自分の住んでいる近くの場所でもたくさんの犠牲者が出ていることを知り、驚きだった。原爆や空襲で日本はたくさんの犠牲が出たと授業で何回も学んだが、日本が中国に爆弾を落としているなど、加害の側面についても知ることができ、とても悲しくなった。やなせたかしさんや水木しげるさんの8月15日の思いを知ることができ、戦争と平和のことについて、多くのことを考えさせられた見学活動であった。(人間学部2年 河島 健人)

 「ピースあいち」に初めて行って、実際に物に触れて感じることができ、戦争について改めて学ぶことができた。男子は戦争に行くのが当たり前で拒否権がないことや、私たちと同じ22~25歳くらいの人が死んでしまう割合が高いこと、中学生くらいからもう戦場に行ってしまったことなど、多くを知ることができた。「私の八月十五日展」では、私たちにとって身近な高倉健さんややなせたかしさんなどの実際の声を聞ける本もあって、戦争について具体的に知ることができてとても良かった。今の平和があるのは昔の人たちの頑張りがあるからで、昔の人たちのおかげだということを改めて感じることができた。昔の人たちに感謝したい。(教育学部2年 下川 瑛莉菜)

 これらの学生の感想からは、未来の平和な社会を実現していく市民として貴重な体験をしたことがわかる。今後も、「ピースあいち」と連携した教育活動を通じて、地域における戦争や平和の問題について考えさせていきたい。大学生の可能性に期待している。