「あの夏の空に届け」朗読劇に参加して 
北垣内万里(南山国際中学・高校保護者)           



絵はがき絵はがき

 もはや、戦後ではない、と言われるようになってから生まれた私には、戦争は遠い昔の事でした。
 戦時中、食べる物が無い時に腐りかけのサツマイモを食べてお腹をこわして、その後サツマイモが食べられなくなった父の話も、3歳の時の大阪大空襲で燃える町を祖母に手をひかれて逃げたという母の話も、単なる思い出話として流していました。そして、戦争は怖い、戦争は嫌だ、とだけ思って生きてきました。
 しかし、この平和な日本はそうなるように努力した人達のおかげで成り立っているのだと、朗読の会に参加して思いました。
 死んでいく我が子を見送ることしかできなかった母の気持ち、偉い人と言われていた一握りの人たちが起こした戦争に巻き込まれて死んでいった人々の気持ちが少しでも伝わるように練習を重ねますが、先輩方のようにはできず、歯がゆい気持ちでいっぱいになります。
 父方の本家の墓地にある、立派な石碑のような父の長兄の、海軍中尉のお墓の下には遺骨は入っていないのだ、とこの年になって思い至りました。
 このように、思っていたよりも身近にあった戦争の事に気付かされるのも、朗読の会に参加させてもらったおかげと思っています。



●朗読劇を聴いてー参加者アンケートから

朗読の練習がよくなされていて、聴き取りにくいところは1か所もなく、理解されやすかったと思います。また、若い人の声はとても通り、心にひびきます。ありがとうございました。(73歳女)

生徒さん、お母さんそれぞれご多忙の中、とてもよくお稽古しておられると思います。「出演者からの一言」にありますように、作品の中身を各自の解釈を加味して聴く人に届けようとの意志が伝わりました。作品と演者と聴衆が一体となることができる素晴らしいステージでした。折しも社会には好ましくないムードが広がり続けています。戦争を可能とする法律など決して許してはならないと思います。(年齢・性別未記入)

とてもよかったです。涙があふれました。ずっと続けて下さることを願っています。(年齢・性別未記入)

とても分かりやすく起きたことを想像することができました。戦争は繰り返してはいけない、忘れてはいけないと感じました。(17歳女)

はじめての朗読劇、本当に感動しました。いろいろなところでもっと広めていってほしいです。(51歳女)

さまざまな方の話を50分という短い時間で聞くことができてよかったと思います。いままで原爆体験者の声は2・3回お聞きし、そのたびに戦争に対する考え方などを見つめなおしていたのですが、今回はそれとは別の雰囲気が出ており、改めて考え直してみようという気持ちになりました。(19歳男)

毎年聞かせていただきます。18年生まれの私は、いつも胸の詰まる思いで聞かせていただいています。(73歳女)

戦争について、昔の事について、よく知ることができました。他の人たちからいろいろな事を物語のように聞くと覚えやすいし、もっと知りたいと思いました。戦争はくり返してはいけないと思いました。(?歳女)

鳥肌が立ちました。戦争は繰り返してはいけないと改めて思いました。よかったです。(19歳)