◆所蔵品から◆資料ナンバー8507 終戦の詔勅のコピーの話 資料班



私の八月十五日展
詔書のコピー

上:展示室入口(2016年7月)
下:詔書のコピー 表紙

 ピースあいち3階展示室では、企画展「私の八月十五日展-マンガ家・戦争体験者―あの日の記憶」が始まりました。
 1945年8月15日といえば、正午にラジオから流れた「玉音放送」を連想する方も多いと思います。「玉音放送」で読み上げられた文章が、「終戦の詔勅」です。
 ピースあいちの寄贈資料で、「終戦の詔勅のコピー」があります。コピー用紙にモノクロコピーで、表紙を含め5枚。A3サイズです。
 今月はこの資料をご覧いただきます。

詔書のコピー
詔書のコピー

上:本文1枚目 全体
下:本文1枚目 拡大 読み仮名がつけられている

 こちらが本文の1枚目です。中央の下の方に「内閣」と文字の入った用紙が使われています。
 インターネットで検索すれば、「終戦の詔書の原本」を見ることができると思います。今月(2016年7月)のピースあいち・メールマガジンの「◆常設展示から◆」でも、「終戦の詔書」をご紹介しています。
 原本と比べるとこちら(コピー版)は、だいぶ線が細い。画像を重ねてみると、字の形、字と字の間隔などがわりとぴたりと重なるので、他の人が書き写したものではなく、原本のコピーのように思えます。また、読み仮名が書き込まれています。読み仮名ごとコピーされているので、そのことから考えてもコピーを何度か重ねているようです。

詔書のコピー
詔書のコピー
詔書のコピー

本文2・3・4枚目

 後半も見ていただきます。
 本文は、表紙も含めると4枚目(右上に№4と書かれています)の4行目までで、そのあとは天皇の署名と判子(御名御璽)、そのあとに「昭和二十年八月十四日」と日付が入って、総理大臣とその他の大臣の署名があります。8月15日の新聞では、「各国務大臣副署」と1行で書かれていますが、詔書のコピーを見ると、16人の署名が並んでいます。筆跡の違いも、おわかりいただけると思います。
 16人の大臣を、表にしてみました。


内閣総理大臣 男爵鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
司法大臣 松阪広政
陸軍大臣 阿南惟幾
軍需大臣 豊田貞次郎
厚生大臣 岡田忠彦
国務大臣 桜井兵五郎
国務大臣 左近司政三
国務大臣(情報局総裁) 下村宏
大蔵大臣 広瀬豊作
文部大臣 太田耕造
農商大臣 石黒忠篤
内務大臣 安倍源基
外務大臣兼大東亜大臣 東郷茂徳
国務大臣 安井藤治
運輸大臣 小日山直登

 この中で、今(2016年)も同じ名称が残っているのは内閣総理大臣と外務大臣の2つしかありません。

 陸軍省・海軍省・大東亜省・軍需省・内務省などは戦後廃止になります。
 大蔵省・文部省・厚生省・運輸省は2001年にそれぞれ財務省・文部科学省・厚生労働省・国土交通省に、名前が変わったり統合されたりしています。



詳しい画像はこちらからどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/20160722_shuusencopy.pdf
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http://www.peace-aichi.com/05_objects.html