ピースあいち企画展「辺野古から沖縄・日本を考える」をみて  
水谷 章一(人業〔ひとわざ〕劇団ひらき座)



 私の所属するアマチュア劇団、人業〔ひとわざ〕劇団ひらき座は、今年の11月「チンドンニャンでつながって~野良猫バンド成長記(仮題)」と題し、名古屋の猫と沖縄の猫から見た今の人間たちの「事情」を描く舞台を目指し取り組んでいます。その舞台づくりの学習の一環として6月25日に「ピースあいち」の「沖縄展」を観に行った。

絵はがき

ガイドの解説を受けている「ひらき座」の方たち

 

 辺野古新基地建設や高江のヘリパッド(着陸帯)建設で当たり前の暮らしを営むことを阻止され、自分たちの土地に戦争のための施設が設けられることを強要させられる人たちがいる。それは今に始まったことではなく、戦争の中からすでに始まっており、戦後はドタバタの中で無理やりブルドーザーと銃剣により自分達の土地を取り上げられた沖縄の人達。その負の歴史が今までずっと続いている。
 日米地位協定で、日本は不利な立場に立たされ、米兵が犯罪を犯しても基地に逃げ込んでしまえば罪を問えないような現実を押し付けられている。その結果、何人もの弱い立場の人々が悪夢のような出来事に遭遇させられ、その度に罪も問えないことになっている。
 辺野古で起きている政府による横暴は、こうした負の歴史が重なり重なり、今このように起きているのだと改めて感じた。

 こうした沖縄の現状を変えなければと、私たちひらき座でも演劇という手段を使って多くの人に呼びかけようとしている。
 その時に私たち自身の足元である、愛知のことも忘れてはならないと思っている。愛知にはたくさんの軍需産業が集積している。そこで作られたものが、戦争に使われることにもなっているのだ。
 「ピースあいち」の常設展では、愛知の戦時中のことが展示されている。軍需工場があったがゆえに空襲にあった地域、そこで強制的に働かされたからこそ奪われた命。こうしたことを繰り返さないためにも、私たちが住んでいる愛知をどうしていくべきかも考えて行かねばならないと、常設展を観て改めて感じた。

 参院選が終わり、改憲勢力と呼ばれる人たちが多く、参議院議員になった。しかし、沖縄では基地反対を明確に訴えた伊波さんが圧倒的に勝利した。そして、震災後、ずっと苦しんでいる東北でも野党統一候補が勝利した。苦しみをたくさん受けている人たちは、もう今は耐えられないと立ち上がっている。
 そのことを自分たちのこととしてとらえ、そして自分たちの足元でヒッソリと起きていることをしっかりと見つめる目を持って行けば、一人ひとりが大切にされる社会が実現されると思う。

 当日は、小学5年生の団員も参加した。彼女の感想も紹介したい。
「私はピースあいちに行って、戦争ほどひさんで、こわいものはないと学びました。ほかにも、空しゅうけいほうとけいかいけいほうがちがいがあるのはまったくしりませんでした。なにか平和運動をしただけで、つかまったり、てんのうへいかの写真にもおがまなければなぐられたりするのはいやだなあと思いました。ピースあいちは実際の写真や実物がてんじしてあってわかりやすかったです。ほかにもいろいろなてんじを見にいきたいです。」



◆人業劇団ひらき座が、11月26日(土)、27日(日)に天白文化小劇場で上演する「チンドンニャンでつながって~野良猫バンド成長記(仮題)」。子どもから年配の方まで楽しめる舞台に、と取り組んでいるので是非ご来場を。(HPあります。「ひらき座」で検索)