◆ボランティア雑感◆日韓高校生へのガイド体験           運営委員  坂井 栄子

                 
集合写真

ピースあいち1階にて

 「ハムケ=ともに 高校生平和特派員」の44名が5月5日「ピースあいち」を訪れました。 2003年から名古屋市と韓国全州市の韓国伝統高校の生徒が「平和」と「友情」をテーマに交流を続けている自主グループです。

 

 2005年からこの団体の活動に参加している「ピースあいち」運営委員の熊本さんの紹介によるもので、「ピースあいち」に来るのは2009年に次いで2度目です。今回は韓国から22名、日本の高校生も22名が来館しました。

 

 展示ガイドに先立ち、「ピースあいち」の成り立ちを話しました。1993年からの戦争資料館建設への動きから、一人の高齢の女性から土地とお金をいただき、民間でこの資料館を2007年5月4日にオープンしたことなどです。

 次に「愛知県下の空襲」の展示ではB29から落とされた焼夷弾によって焼き尽くされた名古屋の街のことや、防空頭巾を実際にかぶってもらい、逃げ惑った市民の様子を写真パネルで知ってもらいました。展示の最後では、日本の被害の面ばかりに目を向けているのではなく、最初に飛行機による無差別攻撃をしたのは日本であることも話しました。

写真  展示室にて”border=

展示室 「命の壁」の前で

 15年戦争のパネル展示に移って、拡大していった日本の領土、その中で韓国という国を植民地にしてしまったことはどうしても話さなければなりませんでした。未だに解決されていない従軍慰安婦の問題、強制連行など東アジアにおける日本の行動には、個人的には謝りたいという気持ちだと自然と口から出てきてしまいました。

 「命の壁」の写真パネルでは戦争の悲惨さ、命の大切さを強調しました。

 通訳を介してのガイドでどれだけこちらの気持ちをわかってもらえたかは、最後まで、とても気にかかることでした。

 しかし、生徒たちの感想文の中に「日本も戦争でたくさんの被害を受けたのだと知った」「憎むべきは戦争であるとわかった」「ピースあいちに来てガイドをしてもらって良かった」と書いてくれたことを知り、こちらの気持ちを受け止めてくれた生徒たちもいたのだとわかりました。

 このような草の根交流の大切さを感じたガイド体験でした。